MT4ではタイムゾーンにGMT+2(夏時間の時はGMT+3)を通常使います。ここで設定したタイムゾーンに従いMT4のチャートやオーダー、取引履歴、ログなどに時間が表示されます。これは結構イレギュラーで日本ではGMT+9ですからMT4に表示されている各時間を見るときに変換が必要です。
現在のMT4時間
上記は日本時間とMT4の時間を表示させたものですがご覧の通り全く違う時間が表示されます。日本人がMT4の時間を見て瞬間的に日本時間に変換するには相当慣れが必要で普通は戸惑ってしまうのではないでしょうか。オーダーなどの時間を見た時「これは何時だっけ?」となってしまうことが多いと思います。
目次
世界のタイムゾーン
ご存知の通り時差の関係で世界の国や地域によってタイムゾーンが異なります。日本はGMT+9で標準時刻より9時間早いです。標準時間はロンドンでグリニッジ天文台のある場所がGMT±0になります。
FXに関係ある代表的なタイムゾーンは以下の通りです。括弧()内は夏時間、サマータイムです。
- ウェリントン GMT+13(GMT+12)
- シドニー GMT+11(GMT+10)
- 東京 GMT+9
- 上海、香港、シンガポール GMT+8
- ロンドン GMT±0(GMT+1)
- ニューヨーク GMT-5(GMT-4)
色々ありますが、日本基準で言えば朝は2時間早くオセアニア、中国は1時間遅い、ロンドンは夕方からオープン、NYは夜オープンして深夜にクローズとざっくり覚えているような感じではないでしょうか。
ただここで気づくかも知れませんが上記にはMT4で利用しているGMT+2がありません。
MT4でGMT+2(夏時間はGMT+3)を使う理由
以前あまり深く考えていなかった時は「たぶんMT4は世界のトレーダーが見るロンドン時間に合わせているんだろう」となんとなく考えていました。でもよく考えるとロンドンは時差が無いのでGMT+2ではありません。あれおかしいなと思い調べるとアテネやエルサレムのタイムゾーンがGMT+2でした。なんだこれは?と思ったのですがMT4でGMT+2が使われる理由はこういったわけでした。
これは日足チャートと関係するのですが、日足はNYクローズで確定します。MT4は24時の段階で日足チャートが確定します。ですのでMT4でNYクローズを日足とするにはNYクローズを24時に合わせる必要があり、それに適したタイムゾーンがGMT+2というわけです。場所には一切関係がないわけですね。
逆に例えばGMT+9をMT4で利用した場合。チャートの時間や注文履歴などは日本時間でわかりやすいですが、24時がNYクローズとなりません。ですので他のトレーダーとは違う日足チャートを見てしまうことになります。また24時以降にNYクローズが来るため、金曜日の日足の後に本来存在しない土曜日の日足が作られてしまいます。これが日足6本問題と呼ばれるものです。
結局見た目の時間を合わせるか、チャートを合わせるかということになるわけで、多くのMT4業者でGMT+2を使うのは、見た目の時間がずれることよりも日足や4時間足などを統一してチャートを分析しやすくした形と言えます。
【参考】NYクローズは何時?
ところでNYクローズは何時でしょうか?
NYクローズは現地ニューヨーク時間(GMT-5)の夕方5時です。日本との時差は14時間(サマータイム時は13時間)です。この時にMT4(GMT+2/+3)の時刻が午前0時となり、日足が確定します。
またNYクローズ時の日本時間は、日本は朝7時(夏時間の時は6時)です。これはFXの証券会社の取引開始時間やスワップのロールオーバー時間と重なっていることがわかります。
日本時間に変換する方法
MT4をGMT+2で使う場合にずれた時間を後はこれをどう変換するかということになります。なお当サイトのサイドバー上部に現在の日本時間とMT4時間を表示していますので計算確認にご利用ください。
計算する方法
単純な方法としては冬時間ならば7時間を足す形です。練習で少し計算してみましょう。
MT4で8時 --> 7を足して日本時間は15時
MT4で13時 --> 7を足して日本時間は20時
MT4で20時 --> 7を足して日本時間は3時
こういった感じです。夏時間の時は7でなく6時間を足す形になります。
時差計算ツール
Webで時差を計算できるツールもあるので面倒ですがそちらを使う手もあります。
MT4用インジケーター
MT4のインジケーターに日本時間を表示するものがあるのでチャートの時間であればそちらを使うのも手です。いくつかその種のインジケーターがありますが私が気に入っているのはHTさんが無償提供するHT_Gridです。画像内赤枠の部分がHT_Gridで表示される日本時間バーです。
HT FX (MT4・MT5で快適トレード) MT4 グリッドインジケーター修正
http://htfx.blog.fc2.com/blog-entry-85.html
ただしこれはチャート画面のみですのでオーダー時間や注文履歴などの時間は別途変換の必要があります。
夏時間と冬時間の切り替え
夏時間と冬時間の切り替えですがやっかいなのは欧州と米国で切り替え時期が1、2週間ずれることです。ざっくり言えば3月中旬以降に夏時間に切り替わります。夏時間から冬時間は11月頃に切り替わります。1月2月は冬時間、3月は冬と夏時間が混在、4月〜9月は夏時間。10月は概ね夏時間も後半冬時間と混在、11月も夏、冬時間切り替え時期、12月は冬時間です。
MT4の場合EAやインジケーターがGMTを見る場合があります。なので3月、11月頃には利用しているEA、インジケーターによっては設定を変更する必要があります。
でMT4のEAやインジケータの設定をいつ変えれば良いか?ということですが、これはMT4を提供する各業者から案内があります。ホームページやメールで案内がありますのでそれに従って設定を変える形です。
GMTとUTC
参考までにタイムゾーンでは、GMTという用語の他にUTCという用語も使われます。UTC+9とかそういった形です。でこのGMTとUTCの違いですがタイムゾーンを指定する上での違いはありません。ですので日本はGMT+9であると同時にUTC+9です。タイムゾーンを使う上では基本的に同じものと考えれば全く問題がありません。
厳密には、GMTはグリニッジ天文台の観測を基準とした値であるのに対し、UTCはセシウム原子時計で誤差を調整した値でより正確です。コンピューターの世界でもUTCはうるう秒をもちいるなどで誤差を調整したりしています。ただGMTとUTCのずれは10年で1、2秒といったレベルなので体感的にはほとんど差はありません。
より厳密なものという意味で最近のコンピューターや時計などはより新しい基準としてUTCが使われており、GMTは古い基準となっています。