以前からTradingViewを使っていて非常に便利なので記事にしたいと思っていました。現在少し時間的な余裕ができた事もあり記事にまとめています。TradingViewではユーザー間のチャットができるのでトレード仲間を増やしたいという意図もあります。
目次
TradingViewとは?
一言で言えば「ブラウザで利用できる高機能チャート」という事になります。しかし単なるチャートに留まらずトレーダーの為のコミュニティでもあります。例えば自身のトレーディングアイデアを公開したり、他の人のアイデアを見て参考にすることができます。またチャットルームやユーザー同士の個別チャットも可能で様々なコミュニケーションが可能です。
maruもチャートを利用する他、例えばこんな形でトレードのアイデアも随時公開しています。このブログにチャート画像を掲載するときもTradingViewを利用することが多いです。
チャートやアイデア以外にも、ニュースや指標も見れるので非常に便利です。
https://fxinvestigation.tokyo/r/tradingview
無料ですか?
無料で利用できますが有料プランも用意されています。無料プランと有料プランの違いは、同時に並べられるチャートの数であったり、同時表示できるインジケーターの数であったり、レイアウトの保存数だったりします。基本的に使える機能はほぼ同じで、諸々色々な「数」が違ったりします。
具体的な機能の違いはこちらに一覧表があるのでそちらを見たほうがわかりやすいです。
https://fxinvestigation.tokyo/r/tradingviewplan
何日しか使えないと言った期間限定的なものは無い様です。基本的にはとりあえず無料で使ってみて、使いたい機能があった時にプラン変更も考えるという形が良いのかなと思います。かなり便利ですし使ってみて損という事は無いとは思います。
maruは「PRO+」プランを利用しています。このプランを選んだ理由は為替王さんの秘伝チャートでも有名な「ポイントアンドフィギュア」を使いたかったからです。
怪しくないですか?
maruがTradingViewを知ったのは、海外の情報を追っている時に海外のトレーダーの間で広く使われていたからです。度々見るので使ってみたという感じです。その時は日本語版はあまり充実していませんでしたが、ブログにチャートを埋め込んだり、誰かとチャートを共有するにはなるほど便利だと思いました。
海外の有名サービスが日本に入ってきたという形なので日本ではまだあまりメジャーではありませんが、利用者は今後増えると思いますし、何か怪しいサービスという事は全く無いかと思います。
日本語版の制限
TradingViewはチャートであるだけでなく、そこで裁量トレードやシステムトレードなどの売買も行えます。しかし対応している証券会社がFXCMなので売買については日本では利用できません。これは現在FXCMが日本でサービスを提供していないためです。
TradingViewを利用するメリット
機能は豊富すぎるくらいなので説明しきれませんが、maruが特に便利だと思っている機能を紹介します。
※ 内容が増えてきましたので少し分類しました。(2018.02)
チャート機能
米国債の利回りのチャートが見れる
米国債はドル円との相関性も高いです。よくあるのがドル円が上昇/下降した後に「米国債利回りが上昇/下降」といったニュース。かなり多いケースですが通常はトレードに活かす事は難しいです。というのは証券会社提供のFXツールやMT4では米国債の利回りを見ることができないからです。MT4も証券会社が提供する通貨ペアのチャートしか見れないので対応ができません。
でもかなり相関性が高いのでリアルタイムに米債のチャートを見ながらドル円やユーロドルをトレード出来たら良いと思いませんか?
これがTradingViewであれば可能です。米国10年債利回りのリアルタイムチャートを見ることができます。10年債以外にも、米国2年債、米国5年債、米国30年債利回りのリアルタイムチャートを見ることができます。米国10年債のチャートを見るには銘柄コードに「US10Y」を入れれば見れます。同様に米国2年債、5年債、30年債は「US02Y」、「US05Y」、「US30Y」で見ることができます。
例えばこちらは記事作成時点の米国10年債利回りの4時間足チャートです。
また米債だけでなく、ドイツ国債、英国国債、日本国債の利回りも同様に見れます。またVIX指数も見れるのでリスクオフ/リスクオンに応じたトレードも可能です。
ドルインデックスのチャートも見れます
相関性を利用したトレードができる
上記の通り幅広い市場のチャートが見れるのがTradingViewの大きなメリットですが、それにより相関性を利用したトレードを行うことが可能です。例えばドル円のトレードをする時に、相関性の高い米国10年債利回り、ドルインデックス、株価等を同時に表示してそれぞれの値動きを見比べながらトレードすることが可能です。
例えば下記のドル円チャートでは、メインチャートに「日経225(オレンジ線)」、「米国10年債(緑と赤のローソク)」のチャートをドル円に重ねて表示しています。また下側のサブウインドウには「ドルインデックス」、「SPX500」を表示しています。こちらは4時間足のチャートですが時間足はもちろん自由に選べます。
1つのチャートに重ねるのではなく、相関性のチャートを並べて表示する事も可能です。
ポイントアンドフィギュアが利用できる
ローソク足、平均足、バーなどの他にポイントアンドフィギュアを利用することができます(PRO+プラン以上)。ポイントアンドフィギュアは時間軸を無視してプライスの変化だけを描いたチャートで特にブレイクからトレンドが出る局面に強いです。日本では為替王さんの秘伝チャートでポイントアンドフィギュアは有名です。
ポイントアンドフィギュアの難点はチャートを描くことで、一般的にポイントアンドフィギュアの利用者は方眼紙に日々手書きしたり、Excelで終値を書き込みポイントアンドフィギュアチャートを作成しています。ただこれは日々継続して行わなければならずかなり労力です。
TradingViewでポイントアンドフィギュアを使うメリットとしては、もちろんこういった手作業で価格を調べ描く手間が無いということの他に、
- 時間足でのポイントアンドフィギュアチャートも見れること
- ポイントアンドフィギュアでは重要な枠のサイズの設定も自由に変更可能
- 一目均衡表や各種オシレーターなど他のインジケーターも併用可能
- ポイントアンドフィギュアチャートにトレンドラインを引くことも可能
などがあります。特に時間軸で見れるということは日足以外のチャンスも拾えますので有効ですし、ポイントアンドフィギュア分析ではトレンドラインとの併用が一般的ですがこれも簡単に利用できます。
ちなみにmaruはポイントアンドフィギュアにトレンドラインを引いて特にブレイクの判断に利用しています。
COTインジケーターが利用できる
ラリー・ウイリアムズが活用しているCOTインジケーターを利用することができます。彼が提供するラリーTVの中でも毎週COTインジケーターを使った解説が行われています。具体的な利用方法は下記記事で。
ローソク足確定までの時間がカウントダウンで表示される。
地味に有効な機能としてはローソク足確定までの時間がカウントダウンで表示されるという機能があります。一般的に各種テクニカルでエントリーする場合、足が確定してからエントリーというのが基本です。移動平均のクロスでもプライスアクションでも足の確定前だと足の確定前だと直前に予想外の動きで崩れることが良くあります。なので足が確定したタイミングでエントリーする訳です。
これを行うために時計を見ていても良いのですが、TradingViewではチャートのプライス表示位置に表示している時間足でローソク足が確定するまでの時間をカウントダウンで常に表示してくれます。なので特に時計を見なくてもチャートだけ見ていれば確定のタイミングを狙ってエントリーが可能です。
チャート分析、描画、アイデアの投稿
エリオット波動を使ったトレードには欠かせません
エリオット波動を利用したトレーディングでは波動をチャートに書き込むという作業が必ず必要になります。高値安値や波動の形状、上位足との整合性などを意識しながら想定する波動をチャートに描きます。またそれは適時実際のチャートの値動きに従い修正していきます。
エリオット波動をチャートに書き込む場合に必要なのは、波を描く為のトレンドラインと波にラベルを付けるためのテキスト項目です。どちらかと言えば波を描くトレンドラインは無くても構いませんが、ラベリングできる事は必須です。波を描くトレンドラインは誰かに説明する時によりわかりやすく利用する為とも言え、自分で見る場合にはラベリングだけで十分です。
これを踏まえてチャートを比較してみます。証券会社が提供するチャートではトレンドラインを引く機能が備わっている事が多いですが任意の場所に文字を書き込む機能が無い場合が多いです。なのでラベルを付ける事ができずエリオット波動で利用するには不向きです。しかしTradingViewではどちらも可能ですし、またエリオット波動を書き込むための専用の描画ツールも用意されています。
MT4と比較すると、MT4のチャートにはトレンドラインやラベル機能がありますのでエリオット波動を描けます。ただエリオット波動専用のライン等は用意されていませんので、トレンドラインやテキストラベルを活用する形です。
もう一点エリオット波動を使う場合に重要になるのがチャートの保存機能です。アイデアを後から活用することが多いエリオット波動ではこの保存機能も重要です。引いたラインを後から修正することも多々あります。描画したエリオット波動が保存できず何かのタイミングで消えてしまう様では正直使えません。
しかし残念ながら証券会社のツールではアイデアを残す機能はあまり用意されていません。ただTradingViewやMT4であればチャートの保存が可能ですし、TradingViewではアイデアとして残す事もできます。
またエリオット波動の利用においてTradingViewとMT4を比較した場合ですが、MT4で残念なのはオブジェクトのロックや操作の取り消しができない点です。エリオット波動では多数のラベルやラインを引きますがこれらをロックできず、また間違ってラインを動かしてしまった時にも取り消しができないのは痛いです。この事は元々MT4のラインの操作性自体がそれほどよくないため余計に難を感じてしまう部分です。「せっかくきっちりラインを引いたのにずれてしまった。。。」という感じで。
間違いを取り消して戻ることができる。
エリオット波動やライントレードの分析などでチャートに色々書き込んだり、またフィボナッチなど色々な情報を追加する人は「せっかく描いたラインを誤ってずらしてしまった。」、「間違えてオブジェクトを消してしまった」といった苦い経験が必ずあるはずです。
パソコンの世界では操作を間違えたら取り消すといった事は当たり前ですが、なぜかチャートでは間違えても戻すことができないものがほとんどです。MT4も間違えると戻せませんし、全ての会社のチャートを利用したわけではありませんが証券会社のチャートでも操作を取り消すことができないシステムがほとんどです。
しかしTradingViewのチャートには、undoとredoのボタンが付いています。
ですから間違えた操作をしてもいくつも遡って元に戻せますし(undo)、そのundo操作が行き過ぎた時はredoボタンでundoの取り消しができます。これはチャートにオブジェクトを設定する人にとってとても嬉しい機能だと思います。maruも地味に一番使っている機能かも知れません。
ハーモニックパターンも活用できます
最近話題のトレード手法にハーモニックトレードがあります。TradingViewではハーモニックパターンを描画するツールも用意されています。
こうした描画ツールを使うことでハーモニックパターンをチャートに描くことができます。
ただしハーモニックパターンの自動描画機能はありません。分析しながら手動で描く形となります。もし自動でハーモニックパターンを検出したい場合は、MT4用のインジケーターですが「ハーモニックパターン検出インジケーター」をオススメします。このインジケーターは私も活用しています。
アイデアが保存できる。そして後日実際の値動きを見て検証できる。
アイデアを公開できるのがTradingViewの大きな特徴の一つです。アイデアで公開したチャートはその時点のスナップショットの様な形で公開されますがそのチャートを後日再生ボタンで動かすこともできます。ですからその時点のアイデアをまとめておくことで、後から実際にどのように値動きが動いていったかを見ながら検証する事ができます。これはTradingView独特の機能で他のシステムには無い機能です。
「戦略を立ててアイデアとして公開 --> 後ほど検証」という流れを繰り返すことでトレードの精度や質を向上させることが可能になります。
アイデアの公開は一般公開とプライベート公開の2種類があります。一般公開したアイデアはTradingView内で他のユーザーが閲覧することができ、他の人が評価やコメントを付けることができます。逆に個人用のアイデア保存用にはプライベートで公開します。プライベートでアイデアを投稿すればTradingView内で他の人に公開されません。
なおプライベートアイデアで投稿した場合でもブログ等にそのアイデアを貼り付けることは可能です。ですのでこれはYouTubeの限定公開に似ています。要はアイデアのURLを知っている人だけ見ることができます。ですからプライベートアイデアは仲間にメールなどでアイデアを公開する場合に便利かも知れません。
好みのインジケーターの設定をテンプレート化できる
MT4にもテンプレート機能がありますが、TradingViewにもテンプレート機能があります。TradingViewはチャートに追加したインジケーターとそのカスタマイズした設定情報をテンプレートとして保存できます。
インジケーターはデフォルトのままでなく、パラメーターや色、線種などを好みに設定されている方は多いかと思いますがTradingViewのテンプレートにはそれらも含まれるので非常に便利で活用価値が高いです。また保存したテンプレートは1クリックで表示できます。もちろん保存したテンプレートを他の通貨や他の時間足で利用することも可能です。
TradingViewのテンプレート機能についてはこちらの記事でも後半に解説しています。
チャートに名前を付けて保存できる。
TradingViewではその時点での考え方を残す方法がいくつか用意されています。ひとつは先に紹介した「アイデアを公開する」機能です。ただしアイデアはその後の値動きはわかりますが、一旦引いたラインを変更するなどチャート内のオブジェクトの追加/変更/削除ができません。
適時ラインを値動きに合わせ変更するといった場合はアイデアでなくチャートを「名前を付けて保存」するのが便利です。チャートに名前を付けて保存することで後から変更可能でかつ既にオブジェクトが配置済みのチャートを呼び出せます。例えばドル円何月何日といった形での保存も可能です。
しかしながら現在はチャートの保存数に制限がありますので無制限に保存することができません。ですのでmaruは「時間軸」にわける形でチャートを保存しています。また保存数の範囲内になりますが従来通り「通貨別」や「日別」といった形でもチャートを保存しています。
チャートの外部での利用
ワンクリックチャートスクリーンショット
ブログにチャートを埋め込むのに最適
トレード系のブログをやっている方であれば、自身のアイデアや分析、トレード結果のチャートをブログに埋め込みたいと思うはずです。さすがに文字だけでは説明が難しいのでチャート図は必須です。
チャートを埋め込む方法は色々ありますが、この用途にTradingViewが最適だと思います。例えばアイデアとして公開しておけば、その瞬間のチャートだけでなくその後実際にどう値動きが動いたかまで検証可能です。
例えばこんな形です。再生ボタンを押せばチャートが動きますし、最大化して見ることもできます。
EURUSD creating Reverse H&S ??? now in 4H Ascending Channel. by fxmaruchan on TradingView.com
またチャートを直接埋め込むのではなく、チャート画像のみを埋め込んでリンク先で再生できるようにすることも可能です。maruはブログ記事にはこちらを使うことが多いです。これはスマホから見る人が多いことを考えるとデザイン的にも表示の重さ的にも画像の方が良いと考えるためです。
下記はブログでは画像が表示されていますが、チャート画像をクリックするとTradingViewのサイトに移りますのでそこで再生ボタンをクリックすればチャートのその後の動きがわかります。
こうすることで予測と予測した後チャートがどう動いたか検証できます。これは証券会社が提供するチャートやMT4では実現するのが難しい機能です。
マルチデバイス対応
PCとスマホアプリで同じチャートが見れる
TradingViewはブラウザから利用しますのでスマホやタブレットでの利用も可能です。またチャートの情報はクラウドに保存されていますのでPCとスマホ、タブレットなどで同じチャートを見ることができます。設定したインジケーターや描いたラインなど同じものを見れる点はメリットです。証券会社提供のチャートやMT4ではPC版とスマホ版が通常分かれているため同じチャートを見ることができず不便です。
とは言えチャートサイズの問題がありますのでPC以外ではタブレットでの利用が良いです。特にiPad Pro 10.5などではかなり快適に利用できます。
またiPhone版のアプリも提供が開始されました。アプリ版を利用すればiPhoneでもブラウザで利用するよりも快適に利用できます。とは言えまだ提供が開始されて間もない為、アプリの改善の余地は数多くありますので今後に期待したいです。なお現状アプリ版はiPhoneのみで、現在はまだandroid版やiPad用のアプリは提供されていません。
ピボットがスマホでも使える。
トレードスキル向上
デモトレードでトレードスキルの向上が図れる
証券会社への口座解説なしに、TradingViewの機能でデモトレードが可能です。詳しくはこちらの記事で。
TradingViewの使い方
TradingViewのチャートはわかりやすいのですぐに簡単に使えます。しかし高機能なチャートなので「使いこなす」にはそれなりに学ぶ必要があります。
学ぶといっても難しい話ではなく、銘柄を変えるにはどうするとか、水平線やトレンドラインのボタンはどこにあるとか、ローソク足を平均足にするにはどうすれば良いとか、インジケーターを追加するにはどこを押せばいいのかとかそのレベルの話でです。
これについては公式でチャートの解説ページが用意されているので、画面の指示に従いながら実際に一度動かしてみるとコツを掴めます。なので最初は解説を見ながら触ると良いかと思います。
https://fxinvestigation.tokyo/r/tradingviewchart
後は個々の機能でわからない点があれば、YouTubeにTradingViewの使い方の動画を有志の方が上げているので検索してみると良いかと思います。
もちろんTradingView内のFAQも活用できますが難点はまだ英語であることでしょうか。 → 翻訳済。
https://www.tradingview.com/wiki/FAQ/ja
またTradingView公式の日本語ブログがあります。新機能の追加などはこちらでアナウンスされています。
https://blog.tradingview.com/ja/
また無料か有料のアカウント登録後はユーザー間のチャットが利用できますので、maruをフォローして頂きチャットでやり取りする事も可能です。疑問点をご質問頂ければわかる範囲での回答は可能かと思います。ただmaruも一ユーザーに過ぎませんので常識的な範囲でのやり取りをお願いできればと思います。
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