先月4月19日「武田薬品工業がアイルランド製薬大手シャイアー(Shire)買収」のニュースが流れました。買収規模が数兆円に渡ることもあり、為替市場には大きなニュースだったので、その時点以降、経過を追っていたのでポンドの流れを中心にまとめます。
目次
4.19 19:30頃
ポンドは2016年10月のボトムから強い流れが継続しており、日足レベルでBREXIT後の最安値 "1.16" レベルから、この2日前の4.17の高値 "1.437" まで一貫して上昇を続けていました。またトランプ相場によるドル安基調もポンド高に貢献していました。

しかし個人的にはきな臭さで逆のチャンスと見てこういったツイートを残しました。またその後のツイートの通り、ポンド売り(ポンドドル(ケーブル)とポンド円のショート)ポジションを構築開始しました。
シャイアー (Shire) 5兆円買収報道でポンド高。「噂で買って事実で売り」になるかログ残しておきます。
— maru (@fxmaruchan) 2018年4月19日
4.19 → 5.8
しかし結局そこがその日の高値でした。そしてその高値には全く戻ることなく、現在まで700Pips強の下落を続けています。
ポンドドル1時間足
また日足では、4.17の高値 1.437 が直近高値となり、そこからは800Pips超えの大きな下落となっています。
ポンドドル日足
既に買っていた大口が売り、噂に乗った小口がやられた
結局シャイアー買収の第一報で、既にポンド買いの大きなポジションを保有していた大口が売り抜けた構図で、噂に乗せられた小口投資家は投げさせられた形となりました。
相場では、"sell the fact buy the rumor" 噂で買って事実で売れと言われますが、まさにその通りとなりました。
今後のポンドの動向の個人的な考え
2019年にはBREXIT交渉が本格化することもあり、その影響を考えれば長い目ではポンド売りの可能性があります。一方で目先はシャイアー買収の影響は見逃せません。
それに関して本日5.8 16時過ぎに、武田薬品工業のシャイアー買収手続き開始が合意されたとのニュースが流れています。現状この第2報はほぼ無視に近いされた状態で、直近のトレンドを引きずりむしろややネガティブに反応しています。
個人的にはこれは重要なニュースと考えており、近い内にポンド外の流れが作られるのではと考えています。この買収は為替市場に対しては、7兆円規模のポンド買い、円売り需要となるわけです。
またポンド円は合成通過でありインターバンク市場にはありませんので、実際の取引では、円を売ってドルを買い、それでポンドを買うわけです。要はドル円買い、ポンドドル買いです。ですから単純にポンド円だけでなく、ポンド、円、ドルの市場に影響があります。
ポンドドルのCOT
最後にケーブルのCOTを見ておきます。こちらは先ほどTradingViewに投稿したアイデアです。
確かに4.17の週をピークとして大口のポジション調整が入っています。もともと2017年後半から大口はポンドを買い転換しており、その後も相場は上昇を続けていました。また直近ドル買いが全体的に強く、トレンドが転換した様に見えます。
しかしポジションは減ったものの依然として大口はポンド買い/ドル売りのポジションです。もちろん今後さらにドル売りに動き大口のポジションが転換する可能性もあります。ただし現時点ではドルが圧倒的に強く、ポンドが弱いとまではCOTでは判断ができません。直近の下落で小口の逆張りロングが増えていることは気になる部分ではありますが。
買収の件と合わせ、今後の情勢次第では大口がポンドを再び積み上げる流れが「先に来ても」驚きはないですね。個人的にはポンド買いを打診からスタートした状況。