茶トラがFX検証中。相場はテクニカルで動いている

FXの手法を検証したりレビューを書いたりしています。自作ツールもちょこっと。主人公は茶トラ猫の「まる」。

【格言から学ぶトレーディング】不測の事態への対応をどうすべきか

まる
システムで対応できない不測の事態も起きるんだにゃん!

「ウーーーーと唸るような警報音。地震か!?」と安眠の中飛び起きる。

「おかしい!?緊急地震速報のアラートとは違う。」慌ててスマホに表示されたメッセージを見ながらテレビを付ける...

目次

2017年8月29日火曜日 早朝6時

昨日は北朝鮮の弾道ミサイルが北海道上空を通過。Jアラートが初めて鳴るという事態でその時間帯の数分後相場も一時リスクオフに動く展開に。

maruは当時ポンド円L、ドル円S、ユーロドルSを保有も、アラートが鳴って飛び起き、すぐにポンド円Lを141.2台でTP。数分後から一気にレートが下落で140円割れのレベルまで。リスクオフ的なドル円Sは一旦キープも数時間後に全てのポジションを閉じて一旦スクエアに。ドル円SはTP、ユーロドルSはLCでした。

正直レートが飛ばなくてよかったという感想。

ブラック・スワンになりかけた一日

昨日は可能性としてはナシム・ニコラス・タレブ言う所のブラック・スワンになりかけた一日。

ブラック・スワンとは巨大な影響をもたらす、大規模で、予測不能で、突発的な事象を意味する。

これは相場で言えばリーマン・ショックなどの所謂○○ショックという事態。

重大で希少な事象のリスクを計算したり、その発生を予測したりすることはできないという事実を「ブラック・スワン問題」と呼んでいる。

○○ショックは稀な事態でいつ起こるかは全くわからない。ただ重大で稀な事態は必ず起こる。この辺は大地震は必ず起きるけれど正確な地震予知が不可能なのと似ています。

歴史の大半はブラック・スワン的な事象で成り立っている。なのに私たちは正常な状態に関する知識を微調整して、モデル、理論、説明を構築しようとする。

過去戦争や大災害、大事故などによって世界は大きく変わり歴史は作られてきました。ただそういった事象はごく稀な為、普段の日常生活で意識される事はありません。理論や解説される上でもブラック・スワン的な自体は例外として扱われたりします。なので大災害はいつか起きると言われながらも大災害に備える施策は時に無駄なものとして扱われたりもします。

私たちはランダム性を過小評価してしまう。ところがいったんブラック・スワンが姿を見せると、恐怖し過剰反応する。...その結果ブラック・スワンから損害をこうむることはよくあっても、利益を得ることはまずない。

予測不可能で稀な出来事は「そもそも起こらない」と考えがちだったりします。似たような意味では考えても仕方ないとか。しかし稀で予測不能であってもいつかは必ず起こるもので、また起こった時の影響は甚大です。これはまさに相場では○○ショックと言われるような金融危機を表しています。

ショック的な金融危機が起きた時、通常と同じやり方では利益を積み上げるどころか大きな損失を出したりします。これは通常時利益を積み上げているシステムなら尚更です。むしろ通常時に利益を積み上げるシステムであればあるほど、イレギュラーな自体には脆いと考えられます。

ここまでの格言はいずれも「反脆弱性[上]――不確実な世界を生き延びる唯一の考え方(ナシム・ニコラス・タレブ著)」より

98%はシステムに従う、しかし2%は臨時の判断が必要

ラリー・ウィリアムズは大成功を収めたシステムトレーダーとして知られていますが、彼もシステムには例外があることを語っています。

「私は、全期間の98%は自分のアプローチに従います。しかし、ほかの人もそうでしょうが、私にとって特別な臨時の判断が必要だと思うときが2%はあると、はっきり認めざるを得ません。」

「マーケットの魔術師 システムトレーダー編」より

不測の事態の対応はどうすべきか

トレード面で考えると、普段からブラック・スワン的な不測の事態事態を狙ってトレードするか、それとも不測の自体はあくまで稀な出来事なので、普段は別の手法を使い、不測の事態が起こった時にはすぐにポジションを閉じるかといった事になるかと思います。

タレブは不測の事態は稀だけど、人々が考えるほど稀ではなく、またその際の値動きはとんでもなく大きいとも言っています。彼自身普段からブラック・スワン時のパニックを狙ってトレードをしていて、彼のファンドはITバブル崩壊時やリーマン・ショック時に大きなリターンを上げました。ただこの常にパニックを狙う手法のデメリットはとんでもなく的中率が低いという事です。全体のトレードスタイルとしては少額のマイナスの日々が延々と続くもパニック時に大きな利益を得るという形です。

逆に日々利益を積み上げるようなやり方は、普段はコツコツ利益を伸ばせるので問題ないのですが、ブラック・スワンが起きると弱い事が多いです。例えばスワップ狙いなどはその最たるものでしょう。相場は数カ月、数年積み上げた利益を一度のトレードで吹き飛ばすなんて事も普通にある世界です。なので、日々利益を積み上げるスタイルでも不測の事態の際の対応はあらかじめ決めておく必要があります。

個人的な振り返り

昨日は北朝鮮のミサイルが万一日本に着弾していたら有事は避けれなかった可能性が高く、その場合レートはリスクオフの方向に飛んでいた可能性があります。早朝のJアラートが鳴ったタイミングからトランプ政権の対応が発表されるまで可能性としては様々のものが想定できた訳で、何も無かったというのは一番可能性が高かった事ではあったとしても、あくまで結果論に過ぎません。

相場的にはJアラートが鳴った時点ではどこかに着弾する可能性があったわけで、あの時点でリスクオンのポジションをキープするというのはあり得ない選択でした。今回何もなくてもそこで切れなければいつか何かの不測の事態で大きなダメージを受けるのが相場です。

個人的な対応を振り返るとリスクオンポジションを利益確定(利益が出たのは運ですが)させて閉じて、リスクオフポジションを残したのはとりあえず正解でした。ただもう少し踏み込めばリスクオンを想定して取ったポンド円LをTPしたタイミングで、ドテンする方法もあったとは思っています。ただ残念ながら瞬間的にはそこまで頭が回りませんでした。

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