茶トラがFX検証中。相場はテクニカルで動いている

FXの手法を検証したりレビューを書いたりしています。自作ツールもちょこっと。主人公は茶トラ猫の「まる」。

高値安値更新で反転する理由。なぜロスカット後に相場は反転するのか?

まる
耐え切れずロスカットされたら相場が反転したにゃん。泣きそうだにゃー

頑張って耐えていたのに、急激な上昇や下落で耐え切れずロスカット。しかしそこが頂点でそこから急激に反転。これは非常に悔しい状況ですが実は相場ではよくあることです。そもそもぎりぎりまで耐えるのが悪いというのは別の議論なので今回は置いておいて、なぜ急激に高値安値を更新した後に反転するかを解説します。

たぶんこれを知っているとボラリティが高い局面でも別の視点で見ることができるようになると思います。

目次

FXの大前提

大前提としてFXは基本的にゼロサムゲーム的な面があると認識しておく必要があります。株のように皆が儲かる仕組みでは無く、「FXは他人の損失が自分の利益になる、自分の損失が他人の利益になる」そういった側面を持っています。なので誰かが短時間で何億も稼いだという話があれば、その裏では損失を負った人が数多くいるという事です。この意味では麻雀の様なゲームにイメージとしては近いです。麻雀も総得点が10万点と決まっていてそれを奪い合うゲームです。

そしてゼロサムゲームの特性として自分の利益を伸ばすために相手の利益を奪いにいくというのがあります。FXではそれはストップを狙うという事になります。

本題の高値安値で相場が反転する理由

前提から入りましたが前提は頭の片隅に置いておいて頂いて、ここから本題の高値安値で相場が反転する理由を解説していきます。これは同時にブレイクアウト戦略の有効性と危険性を解説する内容にもなっているかと思います。

エリオット波動的な解説

こちらはおなじみのエリオット波動のイメージ図です。この中で5波頂点は上昇の頂点となっていて、またC波は下落の底になっているのがわかります。

elliottwave-wave5-C.gif

実はここに大切なヒントがあり、トレンドは5波かC波で終わる形となりますが、その5波とC波の内部は多少例外はありますが基本的には5波動の推進波となります。つまり5波とC波は強い推進力を見せることが多いわけです。ですから最後の高値安値更新の部分は急激な変動を伴い、時に行き過ぎた値を付けます。

ですから5波とC波の部分では逆方向のポジションを持っている場合、耐え切れないほどの急激な動きを見せながら、一旦頂点を付けると急激に逆方向に動く性質があります。要は急激な上昇や下落でロスカットされた後に急に推進力を失い反発するという現象がまさにこれです。

また逆に言うと5波やC波は強い推進力を持っていますので、まだプライスが加速していない段階で逆張りすると失敗します。エリオット波動では強い勢いを持った高値安値更新があって始めて相場が反転すると言えます。この辺はブレイクアウトとは逆のイメージです。

これが高値安値更新で反転する理由のエリオット波動から見た解説です。

補足でブレイクアウトの騙しをエリオット波動で見た解説

なおブレイクアウト戦略について補足すると、上記の解説は同様にブレイクアウトの騙しの説明にもなっています。5波やC波の高値安値更新のタイミング、すなわちブレイクアウトで掴むと天井や底を掴んだ形となり大きなダメージとなります。

ただブレイクアウトが全く使えない戦略ではなく当然機能するケースもあります。同じ高値安値更新のタイミングでも、1波や3波、またはA波で拾えば、さらにプライスが更新しますので利益となります。この様に波動カウントによりブレイクアウトが機能するかどうかを見ることができます。

人間心理から見た高値安値更新で反転する理由

前提で話したFXはゼロサムゲームという面から考えると、他人の損失を狙って利益にしようとトレードしている勢力もあるという事です。

特に個人的に狙われやすいと思っているのは例えばライントレードとかダウ理論といったストップがチャート上で明確なケースです。ポーカーでも麻雀でも心理戦は通常自分の手の内を明かしません。できるだけ手の内は隠してゲームに望みます。しかしFXでは同様に相手の損失を狙うゲームでありながら、手の内が見え見えのケースがあります。それが例えば上記の手法のストップの位置です。明確なストップ位置は狙って切らされるケースも当然あります。他者の損失が自分の利益ですから。

ただストップオーダーを入れていれば問題ではありません。危険なのはストップを入れずに「この辺で止まるだろう」と考えているケースです。確かに大口も最近はあえてストップを入れないケースもあるそうです、これはヒゲで切られるような事を避けるための方策です。

しかしこの場合で止まるだろうと考えたポイントで止まらなかった場合、本来はストップを超えたので切るべきなのですが損失を確定することは非常に辛いことなので人間の弱さで切れないケースが出てきます。「一時的な動きの可能性もある」と切ることを延期したりします。そんな時に限ってプライスが行き過ぎます。

特に切るべき位置が過ぎてもトレンド的に戻ることが濃厚なケースなどは耐えようとします。「上昇トレンドの押し目で拾ったけれど、まだ底ではなかった、ただいずれトレンドには回帰するだろう」と考えたりします。しかし相場は厳しいものでこういった甘さを許してはくれません。当初は耐えようと思っていたものがストップを巻き込み加速しながら耐えれなくなる所まで値が進みます。そして結局ロスカット。

ただストップを付ける為に動いてきた勢力は、逆にストップを付けきった所からはさらに売り込んだり、買い進む必要もないので反転ポイントとなります。

チャートにはストップをつけやすいポイントがありますが、それらは逆行した時はまだたとえプライスが遠くても、それはほぼ必ず狙われると思っておいたほうが良いです。サポートラインやレジスタンスラインなども勢いが付けばオーバーシュートしてから戻ります。通常止まると考えられる位置では基本的に止まらないと考えるぐらいのほうがうまくいくかもしれません。

まとめ

エリオット波動では高値安値を急激な変動で更新してから反転します。教科書的な話としては高値安値更新を確認してから順張りエントリーという事がよく語られます。しかし今回の記事はこれとは真逆の考え方なのである意味目から鱗な話ではないでしょうか。またFXのゼロサムゲーム的な側面を意識しておくと高値安値更新時にも違った見方ができると思います。

波動カウントを行って5波やC波の最終段階で急変動であれば、これは行き過ぎた所で反転する可能性が高いと判断できますし、慌てずロスカットせずにストップの置き方を変えたり時に両建てやサイズ調整などといったポジションコントロールも可能になってくるかと思います。また3波など最終段階以外の急変動であれば、トレンドは続くと判断してポジションをドテンしてトレンドに乗って行く事も可能かと思います。

もちろん必ずしもうまくいくとは限りません。しかしこれらを知っておくとひとつのヒントとしてプラスアルファになり戦略の立て方や対応も変わってくるものと考えます。

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