茶トラがFX検証中。相場はテクニカルで動いている

FXの手法を検証したりレビューを書いたりしています。自作ツールもちょこっと。主人公は茶トラ猫の「まる」。

自分の間違いを認められない人は必ずトレードで負けます

2016年は年初からリスクオフの下落相場が続いています。この間値幅も大きいですが同時にボラリティも非常に高くなっています。例えば朝から下落が続き200pipsした後、突然5分で200pips全戻し、そしてさらに再度深夜NY時間に200pips落ちるような相場です。

これだけボラリティが高く戻しも急速だと利益を伸ばすことは容易では無いです。利益が乗った時いつも通りに利を伸ばそうとしても、突然の反発で全部狩られてむしろ逆に含み損にすらなったりします。じゃあ頻繁に利確すればいいかと言うとそうでもありません。その場合少ない利益を確定した後さらに利益を取るには再度ポジションを取らなければなりません。下落を追いかけていけばどこかで反転上昇にぶつかり、むしろ底ショートで深い傷を負ったりします。とにかく現在は非常に難しい相場状況です。

そんなボラリティの高い状況ですからネットの書き込みを確認してみると多くの人がやられています。昨日は豪ドル円でトレードしていましたが、ボラが激しかったこともありリアルタイムで某ネット掲示板の実況も覗いていました。そこでリアルタイムで何人かの人が大損するのを目にしましたがそれについての話しです。

目次

昨日の豪ドル円の状況

まず昨日の豪ドル円がどういう動きだったのか。

  • 東京市場では前日安値の79.1から81.6まで250pipsの戻しが入りました。そしてかなり底堅い時間が続きました。
  • しかし東京後場日経の下落と共に崩れ今度はほぼ80円まで150pips以上下落しました。日経株価は+150円程度から終値では-700円の大下落でした。
  • 実は先程の80円と言うのはロンドン早朝の話で東京時間を引きずってだらだら下落していきました。しかし80円(実際には少し届きませんでした)を付けた後、何の前触れも無くいきなり100pips上昇して81円に。しかし売りに押され再度下落し80.5〜80.8辺りのレンジになりました。
  • NY時間再度底堅くなり徐々に上昇。81円、81円50銭と上昇を続け、25時の原油統計を迎えました。原油統計は在庫が増えたものの上昇は止まらず82円50銭近くまで上昇して行きました。
  • その後は寝たので細かくは確認していませんが、82円割れを試した後、再度82.430で終値を付けました。

いやはやこう書いていても何往復したんだというくらい激しい相場でした。上に抜けかけたり下に抜けかけたりで場中は方向を読むのは非常に難しかったです。

東京後場からロンドン早朝の下落に乗って逆に底ショートが掴まった人

よくトレンドには乗れと聞きますが、昨日場合は長い足では下落でしたし日経の大下落、上海、香港の暴落を見ても短期的にも明らかに下落トレンドでした。普通に入りやすかった戻り売りのスタンスで東京クローズまでは問題なく利益が取れました。

ただこのトレンドが正しかったのはロンドン早朝までです。トレンドに乗ってショートした人。そしてロングしていたけれど下落がキツイので80円に近づくレベルでショートにドテンした人。皆掴まりました。残念ながらトレンドフォローでトレードした人は全員掴まりました。

反転は早かったです。80.0 --> 80.5はほんの一瞬でした。そしてもう二度と昨日は80.5以下に戻ることはありませんでした。

この時、「いや逆行したけれど短期も長期もトレンドには乗っているからまだ大丈夫、どうせまたすぐ下落だ」と見ていた人は厳しい状況に追い込まれます。「どうせ今のは騙し上げだ」とも思ったはずです。トレンドに乗っているという安心感、そして下落するはずという自信からポジションが切れなくなります。

この後の動きからわかる通り、反発の初動で切れなかった人はこの後短時間で大きな損失を抱えます。いくら自信があろうとも、安心感を持ったトレードであろうとも外すことはある問いことです。そして相場ではそれは頻発します。

FXでは間違いを認められずポジションを切れない人は100%退場します。

100%は別に言い過ぎでは無いです。間違ったポジションを損切りできない人は100%退場する仕組みなんです。運良く助かっても次、その次にはやられます。大金を失い破産しての退場が単に早いか遅いかだけです。

なぜかと言うとFXは株とは違うので底値はありません。株価は倒産しないかぎり0円にはなりませんが、FXでは普通に0円どころか株で言えばあり得ないマイナスになるレベルまでいくらでも動きます。そして一方通行の動きになることも多いです。ここ数年のドル円やユーロドル、豪ドルドル等がそうであったように。

なので耐えるという選択肢はあり得ないし絶対に駄目なのです。耐えれば単に破産まで行きます。レバレッジを効かせるFXでは普通に元本割れすらあります。

ですから裁量だろうが機械的なオーダーであろうが、根拠が崩れた時点では絶対に切らないとFXでは生き残れません。根拠が崩れた時点まで待つと遅いことすらありますが切らないよりマシです。

実際昨日掲示板を見ていて何人も切れない人がいました。含み損が100万、200万、500万と増えていくけれど切れない。それでも下落を信じる。でも最終的には1千万以上強制ロスカットで負けるのを目の当たりにしました。

切らないと退場と周りは言っていましたが本人は切れないんです。どこかでドテンしていれば利益すら出ていたかも知れないのに。気持ちはわかります。耐えていれば戻るケースもありますし、またドテンした途端に逆行することもあります。ドテンでやられれば往復でやられる事になりますからそれも怖いんです。

でも確かに切った途端に反転というのはありますがそれはそれでいいんです。とにかく資金を残して助かれば次のチャンスがありますし倍返しすら出来ますから。

そして補足ですが、自信があるトレードほど実は大損しやすいんです。

というのは読めている、予測できているばかりにそれが崩れた時に逆に間違いを認められないからです。なので自信のあるトレードは気をつけて下さい。取りやすいポジション、自信のあるトレードというのは概して経験則ですが危険度が高いです。

ジョージ・ソロスの話

昨夜はちょうど志摩力男さんのウェブセミナーがあったので参加していました。そこで志摩さんが尊敬するトレーダーはジョージ・ソロスと言われていました。理由は勝っているとか勝ち方ではなく、「底で躊躇なく投げて損切りする」事と言っていました。ジョージ・ソロスは明らかな底でリバウンドが見込める局面でも躊躇なくポジションを切っていたとの事です。

それはドイツマルクの話でしたが、後日談として語られていたのは「とにかく生き残る」という強い決意で全てを捨てても生き残るんだというソロスの強い意思です。武士の精神にも似ている様に思います。徳川家康の話でも敗走し追いつめられた局面で今は苦渋を飲んで恥でもなんでも負けを認めとにかく生き残るという話があったかと思います。

為替の世界でジョージ・ソロスを知らない人はいませんが、あれほどの巨人でも判断を間違える事があるのが相場の世界であり市場ということです。ジョージ・ソロスでも間違えますし間違えを認めて切るということです。常に予測が100%当たる人はこの世にはいません。誰でも間違えるのです。違うのはそれを認めて切れるかどうかだけ。それがFXで生き残るためには絶対に必要な要素の一つです。

ラリー・ウイリアムズの短期売買法から

ラリー・ウイリアムズの短期売買法でも過剰な自信がトレードの罠になるという同様の内容が書かれていましたので引用したいと思います。

トレーダーにとって思考体系が重要なのはこのためだ。現在抱えているポジションは必ず勝ちトレードになる(実際にはならない)という思考体系の人は、自分の信念に自身を持っているために、負けトレードにしがみつき損失を放置する。成功するトレーダーはこうしたことは絶対にやらない。
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